ハナレイ•ベイ

 「現代の国語」担当の大舘先生より、とても興味深いお話を頂きました。

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課題図書、読んでますか?

今夏の課題図書の1冊に村上春樹『東京奇譚集』という作品があり、その中に「ハナレイ・ベイ」という作品が収められています。

この「ハナレイ・ベイ」は、2018年に松永大司氏の監督の下で映画化されています。こちら、非常におすすめです。

よく文学には「行間」がある、という言い方がなされます。すなわち、文字にならない「含み」のようなものを味わうーーという感じでしょうか。(余談ですが、文学研究というのは、そういう文字にならないものを無理やりにでも文字にして明らかにしようという作業です。ですから、文学好き=文学研究好きとは限りません。)

この「行間」のようなものを、映画版主演の吉田羊が実に見事に表現しています。台詞がないのに、その表情、息遣い…全てが物語を醸し出しており、この人は天才だなと思いました。(普段ドラマも映画もほとんど見ないので、恥ずかしながら、この作品で始めて吉田羊という役者を知りました。)

また、作中に流れるイギー・ポップの音楽も作品の世界観を作る重要なファクターになっています。俳優の演技も、劇中歌も、文字文学には存在しない要素です。ですから、文学作品「ハナレイ・ベイ」と、映画作品「ハナレイ・ベイ」は別の作品と言えるかもしれません。

夏休みの終わり、皆さん、残った宿題の解消と思い出作りに忙しいかもしれませんが、常夏のハワイを舞台にした映画「ハナレイ・ベイ」を高1の思い出の一つに加えてみてはいかがでしょうか。(ついでに、文字で読んだ印象と映画の印象の違いを、自分なりに言葉にしてみると、皆さんの読解力・文章力の向上に繋がること間違い無しですよ。)





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